不動産関連 試験 資格

競売不動産取扱主任者が競売業務に関わるのに必須? 実際受験して合格してみたぞ!

競売物件を取り扱う? いえいえ、違います! あくまで代行です。すなわち宅地取引ではなく執行手続き後の申請代行というわけです。それが、競売不動産取扱主任者の根幹。業務を行うのに基本宅建も必要ないし、供託金も不必要、さらに資格も不要、と来たもんだ。
え? 資格不要なら取得する理由ある? そう考えた人ある意味正しくて、ちょっと危ない。ということで実際に受験してきました!

競売不動産取扱主任者資格は必要か? 複雑な闇の世界、競売を知ることが出来る試験を受けてきたぞ

  1. どんな人が向いているか?
  2. 必要度
  3. 競売不動産代理業務について(ここは読み飛ばしてもらっても構いません)
  4. 勉強時間について
  5. 勉強内容
  6. テキストについて
  7. そのほかに買ったもの
  8. 試験内容
  9. 難易度
  10. 試験日、時間、場所
  11. 参加人数
  12. 今後どう活かすべきか

概要

  • 名称 競売不動産取扱主任者
  • 試験日時 2019年12月8日 14時から16時(年に1回)
  • 受験者総数 1755名
  • 合格者 547名
  • 合格率 31.16%
  • 受験料 9千円程度
  • 合計金額 約3万円

 

どんな人が向いているか?

 

競売不動産取扱主任者という資格が一体どういったものなのかを、まず明確にすると

  • 独占業務ではないので競売業務を行うにあたって必要ではない
  • 競売不動産を取得しようとしている取引相手対して一定の安心感を与えるのに役立つ
  • 不動産ADR調停人という「裁判外紛争解決制度」の基礎資格として認定されている(4の条件要)
  • 宅地建物取引主任者(国家資格)の取得がないと、主任者証、合格者講習(有料)を受講することができず3の基礎資格として認められない
  • (公式発表)20時間~25時間程度の勉強で合格できる。と、いうことで比較的簡単に取得できる

民間検定資格なので、基本的に独占業務はありません(2020年3月段階)。なので業務で競売不動産を取り扱いたい人がこの資格を要する、というわけではありません。では、何故この資格を受験するかというと(現時点では)箔付けでしかないことは否めません。この箔付けが欲しい人が向いているというわけです。しかし・・・・である、この記事を最後まで読んでいただければ、取るべき理由がわかります。

 

必要度

しかし、世間一般のイメージとして競売不動産というのはブラックボックス扱いになっていませんか?(陰惨な事件も多く発生している、検索しない方が良いが)実際、私が勉強して合格して思うのは、決して―素人が手を出してはいけない―ものだ。という考えに至った。

競売物件をGoogleで検索すれば一番上に表示される「BIT不動産競売物件情報サイト」をご覧になればわかるのだが、最低限の情報しか掲載されておらず、注意点など最小限にしか載っていない。ゆえに個人で競売不動産を取得しようとすると、不動産の知識があり、かつ法律用語、裁判関連の知識が豊富、かつその手続きに対して迅速に対応が可能であり、かつ手が空いているという人以外は手を出すべきではない状況である。

しかし、個人落札が無いかといえばそうではなく、約2割が個人落札である。かなりのつわもの、というわけではなく、数少ないが競売不動産の代理業務を行っている会社が存在するのだ。個人の方はそちらの代行業者を使っているのだろう。そうでなければ、ほぼ自殺行為と言えるかもしれない。不動産は読んで字のごとく、動かない、一度手にしてしまえば動かしがたい代物のである。それに競売は一度入札してしまえば、「ごめん気が変わったわ、やめるね」っていうことができ―なくはないが強烈な罰金、罰則が存在する(裁判所なので容赦なく抉られる)。すなわち、入札する際に事前の入念な準備と計画が必要になってくるのだ。

しかし、競売物件はやはり安く、市価の2割程度が基本になっている(例外あり)。その2割というのも不動産の値段を考えれば何百万円、下手すると何千万円という差になってくる。お金がないけど本気で不動産の取得を考えている人がいるなら手を出すのも悪くないかもしれない。もちろんその際は業者を使うことをお勧めする。その際にこの認定資格が一つの指標になるということだ、相手の業者がこの資格一つ持っていなければさすがにその業者はやめておいた方が良いだろう。

その業者も代理で不動産競売という裁判関連の代理業務のようなことを勝手に行って良いのか? という疑問を持つ人がいるだろう。

結論から言えば―良いんです

誰でも明日から、いや今日から不動産競売代理業務を行うことが可能です(2020年3月時点)。
上記の点を加味すると

この資格の必要度は低い

といえる。

 

競売不動産代理業務について(ここは読み飛ばしてもらっても構いません)

ほとんど一般市民はこの資格の存在を知らない。この競売代行の業務を委託するにあたって競売代理専門の業者に頼むのか、不動産業者に頼むのか? を考えたとき多くの人が後者をチョイスするのではないだろうか?

しかし、ここで競売代行業者の利点をあえて挙げると値段のところだ。

細かく数字を用いて説明すると長くなるのでやめておくが、安く代理業務を行ってほしいなら不動産業者はやめておいた方が良い。競売物件を扱っている不動産業者も多数存在するが、ほとんどの業者がそれをエサにして一般中古物件のほうに誘導するのを目的としている。なぜなら時間と手間がすさまじくかかる上、リスクがえぐい。
「ほとんど同じ値段でこちらの物件がすぐに手に入りますよー」
なんて営業されたら、落ちる人が多いだろう。それに、ほとんど不動産代理業務を不動産業者が行う場合請求する値段はおそらく跳ね上がるだろう(それでも普通に不動産を購入するより安価ではあるのだろうが)。
なので、競売代行業者を使用する目的が存在するが、その存在理由が一般の購入層に広く知れ渡っていない昨今の状況を加味すると、やはりこの資格の必要度が低い。

が、しかしである。まだ結論には早い。
実はこの競売不動産代理業務、若干闇が深いのである。
それはまた違う記事にてご紹介しよう。

 

勉強時間について

俺はドーピングを行っているので、まったく参考にならない。
なぜなら、民法、民訴、執行法、保全法、都市計画法、建築基準法、宅地建物取引業法、不動産登記法に関して事前知識をほぼ完ぺきに持っている人だからだ。
その人間がこの資格を勉強した時間は・・・・

やはり20時間ほどだった。

隙間の時間を見つけ、約2か月といったところだっただろうか、結構必死に勉強した。公式テキストだけでなくそのほかの資料も買って購読した。
復習の意味もあったのだろうが、約500Pのテキストを読むにあたって1か月を要した。これだけの基礎知識を要してそれでもなおこれだけの時間と手間を要したということだ(実際のところ後述するが、オーバースペックだったと自負している)。正直公式テキストで完ぺきに理解できる人はかなりの頭の良い人か、私のように基礎的な法律の知識を持ち合わせて居る人だけだろう。

なので、私個人としてはこの公式発表の20時間~25時間というのはあまり参考にしない方がよいかもしれない。

じゃあ、知識のない人はできないのか? といえばそうではない。公式から対策講座のご紹介というメールが届くだろう。それを受講すればおそらく基礎は理解できるだろう(筆者は受講していない)。
いやらしい見方をすれば公式テキストを購入してもらい、意味がわからい、不安だ、という人を公式講座に誘導する、という目的が無きにしも非ずだろう。

 

勉強内容

  • 不動産競売の概要
  • 民事執行法
  • 滞調法
  • 民訴
  • 民保
  • 民法(競売関係に特化)
  • 区分所有法
  • 不登法
  • 宅建法関係

といった感じだ。この中で競売不動産の概要、滞調法以外はほぼ司法試験、宅建、司法書士試験を勉強している人からすれば片手でひねるレベルだ。ただ、執行法の不動産競売に関する知識においては司法試験レベルより少し上かもしれない。それでも全体としてそこまで膨大な知識でもないので構えるほどではない。筆者が公式テキストを勉強して知らない、もしくはあやふやだった部分はすべてアンダーライン等を引いた。テキストの中で約30か所ぐらいだった。章の最後に問題が付属されているが間違った問題は10問に満たなかった。
宅建が基礎資格となる当資格で、宅建を取得している人がどの程度優位性を保てるかというところは気になるところだろう。はっきり言うとほとんどない。

メインになるのは執行法、民訴、民保である。

宅建で優位性が発揮できるのは全体の10%程度だろう。宅建を持っている人はもう一度一から勉強するつもりで挑まなければ落ちる危険性は十分にある。

 

テキストについて

受験を申し込みするときに、HPに学習用テキストがご案内されている、演習問題集もだ。筆者は両方購入した。

テキストについては上述の通りといったところだろう。

演習問題集について
競売概要 50問
執行法 46問
民事法 37問
その他民事法 37問
宅建関連 15問
税金 2問

といった感じだ。勉強のしやすさとしては問題文が章ごとにズラーと列挙される。1pに1問という具合ではなく隙間があれば2問も入れてくるので問題数は多い感じだ。しかし、解答がいかんせん章の末尾にあるのでいちいちページをめくるのが面倒くさい。何とかしてほしいと感じた。

解答の説明文は前で同じような問題があって同様の解説をしていようとも懇切丁寧に解説してくれる。公式テキストとのリンクページが記載されているのも好印象だ。筆者が間違えたりわからなかった問題は1割に満たなかった(この時点でほぼ合格は確信したが)。
問題の難易度は試験よりも若干簡単なぐらい。比較的解きやすいだろう。

お値段は(公式価格)
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というところだ。受験するなら、確実に合格を狙うならマストバイだろう。なんせ年に1回しかない上、1週間勉強で何とかなるレベルではないのだ(基礎知識なしの人は)。

 

その他に購入したもの

競売不動産の教科書

という本だが、実はこの本公式テキストと誤認して購入してしまったのだ、お恥ずかしい限りだが。しかし、結果として非常に参考になった。
むしろ、試験より実務の方はこちらを購入すべきだ。実際の書類から失敗事例、成功事例、最近の傾向までつぶさに書かれている。
特に占有屋に対する実務事例が豊富だったことが非常に良かった。対策法も載せられているので、参考になる。

しかし、筆者が実際大阪の裁判所執行部へと足を運び競売不動産に対する質問を投げかけたところ(読んだらいろいろ疑問がわいてきたので)いささか実務は本に記載されている内容と違った。これは大阪独特のものかもしれないし、1996年初版の本なので、時代の問題だろう。
しかし、基礎的なところは変わっていないので、実務にまで手を伸ばそうと考えているひとはぜひ購入をしてみるとよいと思う。

 

試験内容

上述にもあるように不動産競売関連の法律や知識問題がすべてだ。

4問ある中でマークシートでの答案となる。4問中の正誤判定問題が9割で1割程度個数問題がある程度だ。2時間で50問の問題を解く。ふつうに解答できれば何の問題もないぐらいの時間だ、筆者は40分で終了してしまい、もう一度やり直しても時間が余ってしまい暇を持て余してしまった(試験終了まで退出できない)。

なお、試験問題は持って帰れず自己採点ができないので要注意だ。

試験問題に名前と受験番号そしてなぜか宅建を持っているかどうかのアンケート記入があった。筆者はこの時は持っていなかったので若干いやな気分にはなった。受験資格として宅建は必要ないが、わざわざ試験前にアンケート記入させるのはどういう意図なんだろうか? もしかして、宅建を持っていないと何らかのマイナス評価がされるのだろうか? などと勘ぐってしまった。
実際試験問題を持って帰れないのだから自分の点数がどの程度だったかわからず、この宅建アンケートが何の意味を持っているのか知りようもない。変な勘繰りをしてしまうので、できればこのアンケートはやめておいた方が良いと思うが・・・

 

難易度

資格の難易度、という検索をすれば出てくるサイトによれば難易度はCの(やや易しい)の部類に属している。実際に受けてみて、筆者の感想にしかならないが、難易度Cほど易しくはないと思う。
もちろん大雑把なカテゴライズなので難易度Cの中でも上下あるだろうが、それほどの安易な簡単に獲得できるほど内容ではなかった。
俺は約8割間違いなく正解、で残り2割の中で全くどうしようもない問題は1問、残りは2択中どちらかというところまで絞った。なのでそのすべてを外していなければ9割以上の正解率だったと自負している。
絶対合格性のものでなく、相対合格性の試験なのでほかの人たちがどの程度できたのかは知りようもないので正確なことは何一つ言えないが、筆者レベルの人間(頭が良いといいたいわけではない、基礎的な法律の知識はある人間、と言いたい。ぜひ自己紹介のところを見てほしい)ですら、ん? おお? とうなる問題が散見された。

2019年

受験者総数 1,755名
合格者 547名
合格率 31.16%
合格得点 31点

公式発表として上記の点数とパーセンテージだ。これを難しいととるか、簡単ととるかはやはりバックボーンが問題となってくる感じだ。法律の特に民事関連の知識がなければ結構苦戦しうる資格ではなかろうか? 法律の基礎知識があれば、筆者ほど念入りに対策を立てればまず間違いなく合格できる試験だろう。

 

試験日、時間、場所

試験日は12月の第二週の日曜日
時間が14時から16時の2時間
場所が大阪だと新大阪駅の近くのホテルの大会議室だった。

日曜なのは試験が受けやすく良かった。しかし、夕方の2時間丸々拘束されるので、その日一日はほかの予定は入れづらく潰れてしまう。会場は選べるが、どうも主要都市に1会場という感じなので遠方になる人は若干きついだろう。

参加人数

大阪会場は200人程度、ほぼ席は埋まっていて当日欠席はほとんどいなかった。なので、結構注目度は高い試験と言える。
やはり不動産関係の人が多く、40代からの人が多い感じだ。あくまで筆者の感想です。

 

今後どう活かすべきか

合格後、合格通知とともに一通りの資料が郵送されてくる。合格日の翌日には届くし、朝一でメールも届く。
そこでゴリゴリに推されるのが不動産ADR調停人資格のご案内だ。
この資格のことは後述するのでそちらをぜひ参考にしてほしい。あと、合格しても基本的に宅建がないと認めませんよ~、のスタンスなので合格後講習があり、宅建合格者でないと受講そのものができない。

その講習後(もちろん有料)主任者証(これももちろん有料)が発行されるというわけだ。しかも有効期間が5年。

さらに登録すれば(これもこれももちろん有料)いろいろとメリットが・・・っていうのは公式HPを見てください。筆者はまだ受講しておりません。来年受講しようと考えておりますのでその際はまた書きますのでこうご期待。
しかし、資格の必要度は低いと言ってしまっているので、どうかとも思う。この主任者証に価値を見出すかどうかは本人の状況次第だろう。なくても、合格証のコピーでも持ち歩けば実力の証明にもなる。しかし、実際のところは主任者証より、一つの実績の方がはるかに信用度が上だと思う。

ただ競売業界の闇は依然として深く、気を抜けない業界であることは確かだ。そのセンシティブな業界において常に最先端の事例を手に入れることができればかなり実務に役にたつかもしれない。そういった意味で実務を行う人は主任者証を手に入れ会報が手に入れることができる有料会員になることは決してマイナスにはならないだろう。そのためにもこの資格試験を受験し、勉強することで競売の闇への見識を高め、会員になることで危険事例を知る。この資格の利用価値はそこにあると思う。

俺もぜひ検討している。



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